「実学」の対義語は「虚学」ではない【社会学者はなぜ胡散臭いのか】
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「○○マネジメント」は言った者勝ち?
「○○マネジメント」の言葉一覧
- ITマネジメント
- 環境マネジメント
- 意識マネジメント
- 自己マネジメント
- ケアマネジメント
- ビルマネジメント
- ボスマネジメント
- コストマネジメント
- マネーマネジメント
- セルフマネジメント
- リスクマネジメント
- ミドルマネジメント
- ロワーマネジメント
- アンガーマネジメント
- ストレスマネジメント
- プリントマネジメント
- アセットマネジメント
- ナレッジマネジメント
- 交通需要マネジメント
- マイクロマネジメント
- 医療福祉マネジメント
- チェンジマネジメント
- 顧客の声マネジメント
- 行動科学マネジメント
- 潜在意識マネジメント
- 栄養ケアマネジメント
- 組織行動マネージメント
- プログラムマネジメント
- デザイン・マネジメント
- プロパティマネジメント
- モビリティマネジメント
- プロジェクトマネジメント
- ファシリティマネジメント
- ホスピタリティマネジメント
- ワークフォース・マネジメント
- ダイバーシティ・マネジメント
- 情報セキュリティマネジメント
- コンストラクション・マネジメント・・・
発祥こそ違えど言っている内容は共通しているものが多くあるし、
これはもう「言ったもの勝ち」なのでは?
ストレスマネジメント・アンガーマネジメント・ナレッジマネジメント・行動科学マネジメント・ダイバーシティマネジメント
例として「ストレスマネジメント・アンガーマネジメント・ナレッジマネジメント・行動科学マネジメント・ダイバーシティマネジメント」を取り上げることにしよう。
流行にのるマネジメント、実際に導入されるようなマネジメントアプローチは
- 成功例があること
- 実験再現性があること
- 汎用性があり、使い勝手がいいこと
- 科学的根拠があり時代に合っていること
- シンプルで分かり易いメソッドであること
- 抽象性があり広い概念を包括していること
を兼ねそろえていることが分かるだろう。「それっぽいこと」を言うだけでは「胡散臭い」で終わってしまう。
ストレスマネジメントとは
ストレスマネジメントとは、職場の人間関係や仕事など様々な要因によって健康や仕事に支障をきたす可能性のあるストレスに対処するため、様々なスキルを活用して適度なストレス状態へとコントロールすることです。 出典:https://bizhint.jp/keyword/78904
ストレス管理(ストレスかんり、Stress management、ストレスマネジメント)とは、個人のストレスレベルをコントロールする技術や心理療法を指す幅広い概念であり、特に慢性ストレスを指すことが多い。ストレス管理は、人々の日常生活を改善する事を目的にしている。
ストレスマネジメントは「慢性的なストレスに対処するため技術」であり、いわゆる「成功哲学」の中でも身近なものといえるだろう。
似た言葉として「アンガーマネジメント」があるが、ストレスマネジメントが広い概念なのに対し、アンガーマネジメントは『怒りを予防し制御するための心理療法プログラム』とされている。
アンガーマネジメントとは
アンガーマネジメント(Anger management)とは、怒りを予防し制御するための心理療法プログラムであり、怒りを上手く分散させることができると評価されている[1]。怒りはしばしばフラストレーションの結果であり、また自分にとって大事なものを遮断されたり妨害された時の感情でもある。怒りはまた、根底にある恐れや脆弱感に対する防衛機制でもある[2]。アンガーマネジメント・プログラムでは、怒りは定義可能な理由によって生じる、論理的に分析可能な強い感情であり、適切な場合には前向きにとらえてよいものだと考えられている[1]。
このアンガーマネジメントはもともと、1970年代アメリカの心理教育の一種として誕生した。政治家や医師、弁護士などさまざまな職業に携わる人々が、よりよい生活や仕事に何が必要か、という観点で、怒りと上手に向き合う方法をマネジメント的手法に展開し発展させてきたものと言われている。 出典:https://hyakkei-online.com/archives/3442
Twitter、SNSでストレスマネジメント、アンガーマネジメントというと、いわゆる「ビジネス系」のイメージが強く、胡散臭いイメージを持ってしまいがちな印象だが、これ自体は心理教育に根差した「由緒あるもの」と言える。
ナレッジマネジメントとは
ナレッジマネジメント(英語: knowledge management)とは、企業経営における管理領域のひとつ。生産管理、販売管理(マーケティング)、財務管理、人的資源管理、情報管理に続く第6の管理領域。個人のもつ暗黙知を形式知に変換することにより、知識の共有化、明確化を図り、作業の効率化や新発見を容易にしようとする企業マネジメント上の手法。組織によって創造される知識は集合知と呼ばれ、そのマネジメント手法に注目が集まっている。
マイケル・ポランニーの著書The Tacit Dimension(1967 ISBN 9780226672984 『暗黙知の次元』)に一つの端を発するアイデアだが、情報技術の進展、特にインターネットと人工知能技術の発展によって、情報工学や経営学の対象となった。
行動科学マネジメントとは
行動科学マネジメントは、行動分析(behavior analysis)から生まれました。
行動分析学とは、人間の行動を科学的に研究する学問です。
今から約50年前、アメリカの心理学者・スキナー(B.F.Skinner, 1904-1990) が急進行動分析学という学問を興しました。
この学問は徹底的行動主義(radical behaviorism)の一派と位置づけられており、抽象的な概念や計測できない要素を一切排除しようとする考え方です。
今では行動主義派と総称され、「行動科学」と呼ばれています。
ダイバーシティマネジメントとは
ダイバーシティマネジメントとは、組織を構成する人材のもつそれぞれの個性(違い)を受け入れ、一人ひとりがその能力を発揮できる体制と環境を整え、組織の生産性を上げることです。
ダイバーシティとは、「多様性」を意味します。属性の違いは人種や性別、年齢や国籍、身体的特徴(身体障害者も含む)だけではありません。生活環境、バックグラウンド、宗教、生き方や価値観、性格や嗜好なども含まれます。また、働く条件についての違いも多様化の要素です。雇用形態、働く時間や場所の違いもダイバーシティの一部となります。
出典:ダイバーシティマネジメントのメリットとは?日本企業の現状や導入する際の注意点 – 福利厚生のRELO総務人事タイムズ
グローバル化や少子高齢化による労働人口の減少、女性の社会進出、IT化、精神障害者雇用問題の発覚、などにより、「多様な労働者の受け入れ」が最近話題になっている。
もはや「多様性」そのものに需要があると言っても過言ではない。
再現性・汎用性・科学的根拠があることが重要
マネジメントというと、精神論、話術、人心掌握 帝王学を連想したりして「胡散臭い」「馬鹿馬鹿しい」と考えている方も多いと思われる。
しかし、マネジメントなんて先程述べたように山ほどあるのだから、胡散臭いものがあって当然だろう。
例えば、Twitterなどでよく見かける日本語がおかしい業者なんかは「それっぽいことを言うこと」に終始していて
「何をしたいのかは分からない」「結局何を主張しているのか分からない」
これが「胡散臭さ」の原因ではないか。
本当に自分の考えがあるのに誰も取り合ってくれない、信用してくれない、と悩んでいる人がいるとしたら
- 成功例があること
- 実験再現性があること
- 汎用性があり、使い勝手がいいこと
- 科学的根拠があり時代に合っていること
- シンプルで分かり易いメソッドであること
- 抽象性があり広い概念を包括していること
を考慮に入れてアピールするべきだろう。
「実学」と「虚学」の線引き
学問分野は大きく分類すると、
- 人文科学(経済学、文学、哲学、社会科学、社会学など)
- 自然科学(理学、応用科学、工学、農学、医学など)
- 多数の分野を包括する総合科学
に分けられるが、例えば「ストレスマネジメント」に関連する学問分野としては、
などが挙げられる。
「多数の学問分野に跨る広い概念であること」
これは実学的観点からいうとデメリットとも言えるかもしれない。
しかし、「実学」の反対は「虚学」ではない。
「実学」と「虚学」を線引きしてしまうことは
「これは科学ではない」「この話題には科学を持ち込むな」という考えであり、思考停止、根性論の「昭和(平成も含む)」に戻ってしまうのではないか、
「胡散臭い 学問」で検索すると「社会学は似非学問」や「社会学者 クズ」と言ったチクチク言葉を観測することが出来るが、
「文系学問の軽視は学問全体の軽視につながる」
と一人の理系大学生として考える今日この頃である。
話は少し変わるが、似非学問、似非科学により本当の「○○学」の価値までも下がってしまうという風評被害も一つの観点として考えられるだろう。
その点で、「社会学」「心理学」は風評被害に遭いやすいといえる。
そもそも、各学問分野の境界線は無くなりつつあるのが現在の潮流であり、「学問に優劣をつける」ような愚行が今もなお存在することに驚きを隠せない。
(あくまでも個人的見解です)